本稿のテーマ
前回の記事では店舗としてのメンズ脱毛サロンでの実例を書きました。 今回は、自宅で開業する場合を書きたいと思います。 代表1名が脱毛器1台で従業員も無しで運用するイメージです
自宅で脱毛サロンを開く場合のメリットについて
自宅で脱毛サロンを開業するメリットはなんといっても「開業費用とランニングコストの安さ」です。
通常テナントを借りて脱毛サロンを開業する場合は、最低でも400万~600万円の初期費用が必要となります。
自宅で脱毛サロンを開業する場合は家賃も必要ないので、ランニングコストもかなり抑えることができるのも自宅開業の大きな魅力。
また、出勤のための移動がないので営業時間を延ばすことも可能で、身体的な負荷も減ります。
自宅での脱毛サロン開業は低コストで始めることができるので「とにかく脱毛事業を始めてみたい」といった方にオススメの開業方法です。
自宅で脱毛サロンを開く場合のデメリットについて
自宅で脱毛サロンを開業するメリットはお金の面でしたが、デメリットももちろんあります。
・自宅を職場にするのでプライベートが少なくなる
・自宅を公開する必要があるため防犯面が心配
・自宅サロンはどうしても敬遠されがち
自宅を職場にするのでプライベートが少なくなる
自宅を職場にしてしまうと、どうしてもプライベートが減ってしまいます。
自宅というプライベートな空間が職場になってしまうので気が抜けず、心が落ち着く時間が減ってしまうのです。
仕事とプライベートをしっかり分けたいといった方には自宅開業は向いていません。
「仕事もプライベートも関係ない!とにかくビジネスを始めたい!」といった意気込みがあるのであれば自宅開業はとてもオススメです。
自宅を公開する必要があるため防犯面が心配
自宅開業の大きなデメリットが「個人情報を公開しなければならない」という点。
お店である以上、ネット上に自分の住所や氏名が公開されることになります。
また、お客様とはいえ不特定多数の人間が出入りする形になりますので、万が一が起きないとは限りません。
女性オーナーが男性のお客様も対応するといった場合は特に注意も必要ですね。
防犯面でどうしても心配がある場合は自宅での開業は止めておくべきでしょう。
自宅サロンはどうしても敬遠されがち
自宅での脱毛サロン開業は確かにコスト面で魅力ですが「売上が上がりにくい」という致命的なデメリットがあります。
テナントなどの店舗に比べるとどうしてもお店の信用度が下がってしまうためです。
・しっかりとお店を構えていて店内の様子がホームページで公開されている
・マンションの1室で外観の写真がなくマップで調べても普通の住宅である
もし自身が初めてそのお店を訪れる場合、安心して来店できるのは前者ですよね。
特に脱毛は服を脱いで行うため、お店の安心感(ちゃんとしているか・清潔化・怪しくないかなど)が来店動機を決定づける大きな要素なのです。
このような理由から、店舗型よりも集客力は大きく低下します。
また部屋数も少ないため、いざ盛り上がってきたときにそれ以上の売上を上げることもできません。
開業当初から大きな売上を目指す場合は自宅での開業は止めておくべきといえますね。
どれくらいの集客が見込めるのか
集客がしにくいことが自宅での脱毛サロン開業のメリットであることに触れましたが、実際にどのくらい集客が見込めるのでしょうか。
例えば僕たちの店舗での新規の集客数は「1店舗あたり月30~60件」です。
全国展開している、都度払い制のメンズ脱毛サロンでこの数字ですので、個人で自宅開業、1からスタートとなるとこの数字よりもはるかに低くなってしまうことが想像できます。
実際に僕たちが知っている個人の脱毛サロンでは、月の新規の数は「3~5」という話もあります。
個人サロンの場合、集客はオーナー自身の人脈にも大きく左右されます。
オーナー自身の知り合いを呼べて、上手く口コミを広げることができれば更に多くのお客間に来店してもらえるでしょう。
固定費について
自宅での脱毛サロン開業のメリットの一つとして「ランニングコストの安さ」ということをお伝えしました。
自宅開業では
・家賃がかからない
・人件費がかからない
という2つでランニングコストが圧倒的に下がります。
オーナー自身がお店に立つ場合、必要なランニングコストは消耗品や脱毛器の電気代のみ。
利益のほとんどがオーナー自身の収入となります。
自宅サロンの固定費は多く見積もっても数万円のなので、集客さえできれば大きく儲けることができる夢のあるビジネスモデルですね。
売上の想定
では実際に自宅で脱毛サロンを開業した場合の売上はいくらくらいが見込めるのでしょうか。
・月の新規が5人
・新規は半額
・顧客平均単価10000円
・リピート率50%
上記で計算すると
・初月:25,000円(新規5000×5)
・3か月目:75,000円(新規5000×5+リピーター売上25000×2ヶ月)
・半年後:150,000円(新規5000×5+リピーター売上25000×5か月)
・1年後:300,000円
単純な計算ですが、毎月新規を5人呼べれば1年後には30万円ほどの月売上が出ます。
もちろん繁忙期や閑散期、リピート率で上下はしますが、現実的な数字はここに落ち着くかと思われます。
とはいえ固定費が安いので、月30万円でも十分利益は取れますね。
平均的にどれくらい儲かるのか?
脱毛には終わりがあるため、上記の計算通り新規さえ呼べれば延々に売上が上がり続けるわけではありません。
脱毛が終了したお客様から抜けていくため、ある程度売上が立った段階で月新規5人では頭打ちになるタイミングが必ず来ます。
僕たちの経験上、毎月新規5人であれば数年間はずっと上限30万円~40万円の中で推移していく感じです。
仮に固定費が5万円であれば、月25万円の利益。年間300万円がリアルな数字といえます。
もちろんオーナーの努力で新規を多く獲得していければ利益は更に出ます。
良くも悪くも自宅での個人サロンの開業が儲かるかどうかはオーナー自身の努力といったところが大きいのです。
どういう人が成功しますか?
前述したように、自宅での個人脱毛サロン開業の成功はオーナー自身の努力にかかっています。
オーナー自身が人脈を広げてお店を周知していったり、SNSをフルで活用したりなど、個人でできる努力を最大限こなすことができれば、売上100万も夢ではありません。
ただ開業して満足ではなく、売上UP、儲かったら自宅から店舗型のサロンに拡大するといった「上を目指す」といった姿勢があるかな無いかで、自宅での脱毛サロン開業の成功率は大きく変わります。
「とにかく低コストで開業して、めちゃくちゃ頑張って売上を確保して、いずれしっかりお店を出す!」という気合があればグッと成功は近づくでしょう。