本稿のテーマ
メンズ脱毛サロンの開業を考えている方が真っ先に知りたいことは「開業資金」でしょう。 自己資金に加えて、融資等を受けるにあたっても適切な資金を知っておく必要があります。 本稿では、実際に20店舗以上開業に携わってきた者が詳しく解説します。
↓↓こんな状況です↓↓
独立したいと考えていまして、スキルや経験無しですが、脱毛サロンが比較的安くで開業できると聞きました。今貯金は300万円です。足りない分はどこかから借りようかと思っています。ただ、実際に開業資金ってどれくらいかかるのでしょうか?
質問者
開業のタイプや規模によりますね。どのタイプだとどれくらいか?詳しく説明いたします。遠藤
開業時にかかる費用の内訳一覧
脱毛サロンは一般的な店舗型ビジネスと比べて比較的低い資金で開業することができます。サロンの広さや規模によって必要な資金は異なりますが、大まかな費用は以下の通り。
※分かりやすいように5万円単位で計算します。
マンションタイプ家賃10万円の場合 | |
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項目 | 金額 |
不動産取得関連費用 | |
敷金・礼金 |
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保証金 |
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前家賃 |
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仲介手数料 |
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保証会社利用料 |
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不動産関連取得の合計 |
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内装や備品 | |
内装工事費 |
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冷蔵庫・洗濯機 |
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ベッド、タオル、シーツ等 |
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消耗品等その他備品 |
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内装や備品の合計 |
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脱毛マシン | |
脱毛マシン |
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脱毛マシンの合計 |
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合計 |
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マンションの一室で開業する場合、200万円前後の費用で開業することが可能です。
しっかりと店舗を構えるような本格的なサロン開業を目指す場合は600万~800万円の費用が必要となります。
脱毛サロンは低めの資金で開業できる
出店する場所や脱毛器選びを工夫して費用を抑えることができれば、200万前後という低い資金で開業が可能なのがサロン開業の魅力です。
飲食店のような設備投資が大きくかかる開業では1500万~3000万円もの費用が掛かってくることを考えると、脱毛サロンは低コストで開業できる魅力的なビジネスモデルといえますね。
開業費用は200万?600万?これだけ幅が広がるのは何故?
上記の「開業時にかかる費用の内訳」をご覧になると分かるように、どんなサロンを作りたいかで開業費用は大きく異なります。
小規模のサロン開業であれば200万円前後での開業が可能ですが、2~4の部屋数を確保し、内装や脱毛マシンにこだわる場合は600万以上の初期費用が必要となります。
個人で開業するなら200万前後の費用で脱毛サロンが開ける
「なるべく開業費用を抑えたい」「最初は1部屋あれば十分」といった場合はマンションの一室でサロンを開業するのがオススメ。
マンションの一室での開業であれば家賃も相場より低くなる上に、物件の所得費用も安く済みます。
内装工事の必要がないため、一部屋をそのまま施術室として使うことができるのが費用が抑えられる大きなポイント。
脱毛マシンも中古品を選ぶことで、最小限のコストで開業できちゃいます。
本気で儲けたいなら600~800万をかけてテナント開業を目指す
「スタッフも雇ってたくさん集客してガッツリ儲けたい!!」という場合はテナントを借りて本格的なサロン開業を目指す必要があります。
テナントは保証金として家賃6~10か月が必要となる上に、平米数も広くなるため家賃自体も高額。
更に、まっさらな状態から壁を立てたり水回りの工事をしたりと、200万~400万の内装工事費用もかかってきます。
実際に僕たちがテナントを借りて0からお店を作る際は600万~800万円の費用が掛かることが多く、しっかりとお店を作り上げる場合は最低でも600万円の費用は必要と思っておいて間違いないでしょう。
人と雇う場合人件費はどれくらいかかるか?
サロン開業で最も重要な費用の一つが「人件費」です。
オーナー自身が毎日お店に立つ場合は「人件費=自分のお給料」になるわけですが、人を雇う場合はしっかりとランニングコストとして人件費を考える必要があります。
人件費の相場は「1人1日1万円」
人件費の考え方として最もシンプルな考え方が「1人1日1万円」です。
単純に1スタッフで1ヶ月毎日お店を開けるとすると「1日1万×30日=30万」ですね。
例えば僕たちが運営しているお店であれば、アルバイトは時給1200円に設定しています。
実働時間は8時間ですので「1200円×8時間=9600円」となり、ここに交通費を入れると大体1万円前後となります。
もちろん予約の状況によって早上がりさせたり、予約の入りにくい曜日は店休にしたりすることもあるでしょう。
その場合はその分人件費が下がりますが「基本的に人を雇うのには1日最低1万円はかかる」といった認識で人件費を捉えることが大切です。
社員雇用する場合は税金の支払いも発生する
店舗をすべて任せるといった場合、責任者として正社員として雇用する必要性も出てきます。
正社員雇用の場合は消費税に加え社会保険や雇用保険に加入させる義務が発生するため、必然として人件費も上がります。
おおよそですが、「基本給×30~35%」が会社の支出です。
週2日の休日を与える必要があるため、1ヶ月毎日お店を開けるなら「正社員+アルバイト」の2人態勢。
「お店に店長として正社員を置きたい」といった場合は人件費も多めに考えておく必要があると言えますね。
開業時に掛ける集客費用について
サロン開業で最も重要なのが「集客」です。
せっかくお店を開けてもお客様が全く来なければ運営は半年と持たないでしょう。
サロンを運営しつつ利益を出すためには、効果的な集客が必須です。
脱毛サロンの集客方法には大きく分けて以下の種類があります。
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・無料または低コストでできるもの
SNS:SNSを更新して集客する
チラシを配り:自身でチラシを配って集客する
ポスティング:自身でポスティングして集客する
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・まとまった費用がかかるもの
SEO:ホームページから集客する
MEO:Googleマップから集客する
Google広告:リスティング等のGoogle広告から集客する
SNS広告:インスタやフェイスブック広告から集客する
口コミ:利用者の口コミで新規顧客を紹介してもらう
ポータルサイト:ホットペッパービューティーなどのポータルサイトに掲載し顧客を獲得する
アフィリエイト:ブロガーなどに紹介してもらって集客する
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無料や低コストでできる集客もありますが、オーナーやスタッフ自身の行動力が必要です。
実際に僕たちもSNSやチラシ配りなども行っていますが、例えばチラシを10000枚ポスティングして実際にチラシを見てきたお客様はなんと「2人」でした。
開業初期は即効性の高い集客で一気にお客様を増やさなければいけないので、無料でできる集客はあまり効果的とは言えません。
有料の集客方法にも多くの種類があり、費用対効果が高いものと低いものがあります。
なるべく費用を抑えて新規顧客を集客したいのはもちろんですよね。
僕たちが実際に行っている有料の集客方法について費用面や効果について細かく解説していくので、ぜひ参考にしてみてください。
SEO:ホームページからの集客にかかる費用
SEOとは簡単に言うと「ホームページを検索で上位に表示して見込み客に見てもらう」という施策のこと。
これにはSEO対策を施したホームページが必要です。
ただ見栄えのいいホームページであればテンプレートを使用し「5~10万円」で作成を依頼することも可能です。
但しSEOでがっつり集客を行いたい場合は専門家がSEO対策を施したホームページが必要で、これには「30~100万円以上」の費用がかかることも。
更に毎月しっかり更新していく必要性もあるので、運用費用として毎月数万円がかかってきます。
初期費用は高額ですが、1度上位表示されれば安定した集客効果が見込めるため、コスパの良い集客方法といえます。
MEO:Googleマップからの集客にかかる費用
SEOと似ていますが、MEOとは「Googleマップ上で上位に表示する」ための施策です。
最近はGoogleマップでお店を探すユーザーが大幅に増加中。
Googleマップでは基本的な設定のほかに写真や動画、クチコミの返信率などが検索上位に表示させるためには重要で、これらを業者に委託する場合月数万円の費用が掛かります。
MEOはある程度知識があれば自身で運用することも難しくないので、最初は業者に委託し、途中から自分たちで業者の真似をして運営していくという方法もアリ。
低コストで高い効果があるので、ぜひやってみてほしい集客方法の一つです。
Google広告:Googleの広告を使った集客にかかる費用
Google広告とは「Googleのサービス上で表示される広告」のこと。
Google検索やYouTubeなどで見込みユーザーに表示される最適化された広告です。
広告をクリックされた場合に費用が発生するリスティング広告や、広告バナーが表示された回数で費用が発生するディスプレイ広告などが代表的。
なのですが、特に「脱毛ジャンル」は広告費用がかなり高額なんですね。
例えば「メンズ脱毛 新宿」のワードで出した広告の1クリック単価は1000円以上だったりします。
数十~数百万円の費用を設定しない限り大きな効果が見込めないので、広告費用をなるべく抑えたい場合はあまりオススメできません。
SNS広告:人気のSNSで集客する場合の費用
SNS広告はインスタやフェイスブック、ツイッターなどのSNSに広告を出す集客方法です。
Google広告などに比べて比較的費用も安く、脱毛ジャンルは特にインスタグラムが強いので高い効果が見込めます。
但し実際にSNSに精通していないとマッチするユーザーに向けて広告が出せないため、その場合は専門業者に委託する必要アリ。
その業者の能力によっても効果が大きく変わってくるので、そのあたりが大きなハードルになります。
もしオーナーやスタッフがSNSに強ければスムーズに集客が可能なのでオススメです。
口コミ:知り合いが多ければ最強な無料集客方法
口コミは本来既存の顧客が広めることで高い集客効果を発揮します。
開業初期は顧客が少ないためクチコミの効果は低くなりますが、オーナーやスタッフに知り合いが多ければ一気に口コミを広げてもらうことも有効です。
友達や知り合いの経営者などに「脱毛サロン始めたんだ!一回試しに来てみてよ」といった感じでどんどん集客できれば、無料で大きな集客効果が見込めます。
ポータルサイト:ホットペッパービューティーを使った集客にかかる費用
美容系に特化したポータルサイトといえばホットペッパービューティー。
まずはホットペッパービューティーを使ってみようといったオーナー様も多いです。
ホットペッパービューティーの費用は地域によって異なりますが月4万~月50万ほどが相場。
高額なプランほど集客効果が高くなります。
僕たちもホットペッパービューティーを利用していた経緯がありますが、正直月4万円の最安プランの場合はほぼ集客がありませんでした。
もちろんコンサル等を雇ったり高額なプランで運用すれば効果は上がりますが、契約期間が最低1年からと長いので、契約する場合は慎重な判断が必要です。
メリットとしては最低プランでもホットペッパービューティーの予約システムである「サロンボード」が使えるので、月4万円ほどで予約システムが使える+集客ができると考えると導入は大いにアリといえますね。
アフィリエイト:ブロガーに紹介してもらう集客にかかる費用
アフィリエイトとは自分のお店をアフィリエイターに紹介してもらって集客する方法です。
一時期ブロガーが流行りましたが、アフィリエイターのブログ記事等で紹介してもらって来客を促す「成果報酬型」の集客となっています。
成果報酬なので実際に来店した顧客分しか広告費用が発生しないのが大きな魅力。
但しASPというアフィリエイターに広告を提供しているサイトへの登録が必要で、毎月数万の費用が別途発生します。
更にアフィリエイト専用のページや成果を集計する仕組みをホームページに埋め込む必要があり、そのあたりを業者に頼むと割と高額になってしまうのがネック。
広告としては有効なので、興味があれば一度ASP業者に問い合わせてみるといいでしょう。
運転資金はどれくらい必要か?
実際に脱毛サロンの運営を行う場合、毎月必ず発生する運転資金である「ランニングコスト」がかかってきます。
ランニングコストの大まかな内訳は以下の通り。
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家賃
水道光熱費
通信費
人件費
備品代
ホームページ運用費
広告費
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このうち必ず支払いが必要なのが「家賃」「水道光熱費」「通信費」「人件費」「備品代」です。
例えば家賃15万円の物件でサロンを開業する場合の最低ランニングコストは
家賃:15万円
水道光熱費:2万円
通信費:1万円
人件費:30万
備品代:2万円
計:50万
となります。
ここにホームページの運用費用や集客のための広告費が必要になってくる感じですね。
よほど初期の集客に力を入れない限りは最初の3か月ほどは赤字になる可能性が高いので「初期費用+100~200万円」ほどは資金を用意しておくと安心です。
まとめ:脱毛サロンは低コストで開業できるビジネス
脱毛サロンの開業にかかる費用について解説してきました。
脱毛サロンは他の実店舗ビジネスに比べて比較的低コストで開業が可能なビジネスモデルです。
それと同時に新規の参入者も多く、いかに新規顧客を獲得し続けるかが脱毛サロンで利益を出す大きなカギとなります。
また、開業する立地や物件と家賃のバランス、接客ノウハウからコスパの高い広告集客など、ただ開業するだけでなく「しっかり利益の出るサロン作り」もかなり重要。
サロン開業.comでは実際に全国に脱毛サロンを多数開業している事業者の監修のもと、これからサロン開業を目指す方に有益な情報を提供しています。
ご不明な点や気になったことがあれば何でもご相談ください。